3月24日に4重録音した「コラール前奏曲 BWV713」を管楽4重奏にすることに! これまでは、4声ともオルガン音で聴いていた。この曲は、指が痛くて弾けなくなってしまったので、その代わりとして、自分で弾いた時のようにオルガン音にしていたのである。
耳を鍛えて、ポリフォニーを聴きとれるようにするために、各パートごとに別々の音色にすることに。ミキサーの設定で、音色を変えてみる。
ソプラノ:リコーダー
アルト:クラリネット
テノール:イングリッシュホルン
バス:チューバ
どんな響きになるのかな? 期待で胸がいっぱい。
出だしはよかった。最初の1~3ページは3声なので、管楽3重奏。すごく聴き応えがある!
ところが、4ページ目、テノールのパートが入ったら、何でかオルガン音のまま! 管楽4重奏に鳴り響く、場違いなオルガンの音! 何で!?
カシオのCT-X3000、また不具合が…。これまで1年以上、不具合だらけだったけど、2月に多重録音の方法が確立してからは、そこそこ調子よく推移してきた。もうこれ以上、不具合は起こらないだろうと思っていたのに、やっぱりそういうわけにはいかなかった。ハアーー。
これから不具合を解消するのに、また数時間、もしくは数日を費やすのかと思うと、今から気が重い…。正直言って、やりたくねえーーー! でも、聴きたいもんね、管楽4重奏、聴きたいもん!! がんばるしかないっか…
別のソロトラックに録音実験
まず、検証のために、テノールのパートを別のソロトラックに録音してみる。もともとテノールのパートは「ソロトラック04」に録音したので、今度は「ソロトラック06」に録音してみる。
この曲は全部で5分くらい。その中で、テノールのパートは、後ろの1分程度しか出番がない。普通に重ね録りすると、最初の4分間、ボーッと待っていなければならないのだが、「パンチイン」という機能を使うと、該当箇所まで早送りができる。この方法でサクッと録音した。
ミキサーの設定で、「ソロトラック04」をオフにし、代わりに録音した「ソロトラック06」をオンにする。「ソロトラック06」音色をイングリッシュホルンに変えた。
聴いてみたところ→→→まったく同じ結果に!! 音色をイングリッシュホルンにしたにもかかわらず、オルガン音のまま。
テノールのパートをよく聴いてみると、オルガン音の他にピアノの音?が混じってるように聴こえる…。どういうこと?
試しに、ミキサー設定で、各パートを1つ1つ聴いてみた。そしたら驚くべきことに! テノールのパートが、バスのソロトラックにも録音されているのである! 同じ旋律が、テノールとバスの両トラックに録音されている! そして、テノールのトラックがオルガンの音、バスのトラックがピアノの音である。何でピアノ!? 何で別のトラック!?
イベントリストを確認
検証するために、イベントリストを見て、どのようなデータになっているのか確認。CT-X3000本体の編集機能でイベントリストを見るのは、やたらと手間がかかる。PCのDAWソフトを使えば、2次元で見れて一目瞭然なのだが、CT-X3000は小さな液晶画面にたった8桁しか文字が表示されない。イベントリストを見るためには、1つ目のイベントから順繰りにボタンを押して、該当箇所まで進まなければならない。問題のある個所は、5分ある曲のうちの4分以降である。何十回とボタンを押して、そこまで進めた。
結果、テノールのソロトラックにはテノールのイベントリストが、バスのソロトラックにはバスのイベントリストが記載されていた。つまり、バスのソロトラックには、テノールの旋律のイベントリストは載っていない。しかし、再生するとなぜか、テノールとバスの両トラックからテノールの旋律が再生される。どんだけ壊れてんの、コレ!
マニュアル通りにやってるのに、不具合が出てくると、もう対処法ってないのよね。思いつく限りのことをやってみて、それで、もしかしたら成功するかもしれないし、ダメかもしれない。ダメだったら、その方法は諦めて、別の方法を考えてみるしかない。その繰り返しで今まで来たのだが、今回もまた、それをやるのだろうか…
さらに実験
まずテノールの「ソロトラック06」を消去する。その状態で曲を再生してみるとテノールのパートがない状態で再生された。バスのトラックからテノールの旋律が聴こえてくる現象もやんだ。
次に、消去したテノールの「ソロトラック06」に、実験的に何か弾いて録音してみる。4ページ目まで早送りするのが面倒なので、本来ならテノールの出番ではない1小節目から、適当な音を弾いて重ね録りしてみる。鍵盤を弾くのはオルガン音で、録音後にイングリッシュホルンに書き換えるようにしている。
録音したものの音色をミキサーで変更し、曲を再生してみると、ちゃんと管楽4重奏になった!! 前みたいにオルガン音とピアノ音が混じったような変な状態にはならない。それなら、同じように、楽譜通りに録音し直せばうまくいくのではないだろうか!?
4ページ目まで待っているのが大変なので、今回も「パンチイン」機能を使い、該当箇所まで早送りして、テノールのパートを「ソロトラック06」に録音。
ここで不吉な現象が! 録音中、オルガン音で弾いているはずのテノールの旋律が、よくわからない管楽器の音になっているのである! これ何の音? 聴いたこともない管楽器の音が出ている! もうこれは、うまくいくわけないのでは…!?
はぁ~、やっぱダメだったよ。弾いてる時は管楽器の音だったのに、ミキサーの画面で音色を確認してみると、ピアノの音になってる……どういうこと、コレ。
しかも、再生してみたらテノールの「ソロトラック06」、ぜんぶ無音! 録音されてねーの! びっくりするわ…
原因を究明
次。テストの時は大丈夫だったのに、本番はダメだった。何が違うのかと言うと、「パンチイン」したか、しないか。これが怪しいので、今度は「パンチイン」せずに録音してみる。
「ソロトラック06」を消去して録り直し。「パンチイン」の時のように、早送りができないので、出番までずっと待っていなければならない。キッチンタイマーを4分にセットして、ぼーっと待つ。いよいよ出番になってテノールのパートを弾く。
録音終わって、ミキサーの画面を見てみると、ちゃんとオルガン音の表示になっている。それをイングリッシュホルンに書き換える。うまく書き換わった。そして、曲全体を再生してみると! オオー! ちゃんと管楽4重奏になった!! 大成功!
結局、原因は「パンチイン」だった。次回から「パンチイン」は使わないようにしよう。ということは、つまり録り直しはできないということ。1つのパートを最初から最後まで、間違えずに弾き通さなければならない。まるで自信がないけど、仕方がない。
普段、ぬるい練習ばっかりしているので、こういう厳しいのも必要なのかも? 一発録りで決めなければならないとなると、そのためにしっかり練習しなければならないから、上達のためには効果的かもしれない。
認識を変えてみる
カシオのCT-X3000、これまでも滝のように多くのトラブルが噴出していたが、そのリストにまた、新たな1項目が加わった。マニュアル通りに「パンチイン録音」しているのに、こんだけ不具合が出る。
しかし、今まで得た教訓によれば、ダメなものはダメなのである! できないことに固執していても仕方がない。ダメな機能は、もともと存在していないと考えて、他の方法を考え出さなければならない。
最近はもう、MIDIレコーダーの編集機能は、ちゃんと働かないものとして考えることにしている。「このキーボードには、もともと製品化された完動のシーケンサーはついていない」と考える。
代わりに「カシオが、おまけでシーケンサーの試作品をつけてくれた」と考えるようにしている。おまけなら「こんなサービス品をつけてくれてありがたい!」ってなるし、試作品なら「うまく働かないのも仕方ない」ってなる。そう考えれば、いろんなことが腹立たしくなることもなく、受け入れられるような気がする。
カテゴリー:多重録音
