指が届かない問題
バッハ先生の時代チェンバロやオルガンの鍵盤幅は現代のピアノより細幅だった模様。
バッハ先生はかなり手がデカかった模様。
そのため、手がそれほど大きくない私が、現代のピアノ幅の鍵盤を弾くと、かなり運指が厳しくなる。そもそも指が届かないところも出てくるし、運指を工夫して無理やり弾けるようにしているところもある。無理に指を広げて、手を痛めてしまったこともある。
私はバッハ曲の荘厳さや格調の高さを表現するために、できるだけ(曲にもよるが)レガートで旋律をつなげたいと考えてきた。しかし、実際のところ物理的条件から、実現は難しいと感じることも多い。
クラシック音楽教育の現状を見てみると、「バロック時代の作品はノンレガートで演奏する」というのが主流であると感じる。
実際、ピアノ演奏では、チェンバロを意識して、ノンレガートで1音1音切りながら演奏するのが主流ではないだろうか。チェンバロ演奏もノンレガートで弾いているものが多い。また、パイプオルガンの教本など読んでいると、「バロック時代のオルガン演奏法はノンレガートであった」という記述にを目にする。
現代人の大抵の人がバッハ先生より手が小さいのだから、実際のところ指が届かない。だったらノンレガートで弾くしかないだろう。特にポリフォニーで多声部の曲を弾く時には、全ての声部をレガートで弾くというのは大変困難なことになる。
私のような素人はともかく、プロの演奏家は無様な演奏はできないから、一部をレガートにし、一部をノンレガートにする、などという統一感の取れない演奏はできないのではないだろうか。それならノンレガートに統一するしかないということで、演奏の現場でも教育界でもそれが共通理念になってきたのではないか。
しかし私は素人であるから、そのような制約に縛られる必要はないし、バッハ先生の曲を荘重に表現するためには、できるだけレガートで演奏したい。私は日々、自分一人のために演奏している。私だけが納得すれば良いのだから、できるだけレガートに演奏する、どうしてもつなげられないところだけ仕方なく切る、そういう方針で演奏してきたのである。
バッハ先生の演奏法
私が切実に知りたいことは、バッハ先生はどのように弾いていたのか。もともとノンレガートを基本としていたのか?
オルガンは鍵盤を押している限り音色が持続するので、ノンレガートとレガートではかなり音の響きが違うはずである。チェンバロは音の持続時間が短いのでレガートでもノンレガートでも響きはそれほど違わないのでは?と思われるが、実際自分でキーボードをチェンバロ音で弾いてみると、レガートとノンレガートでは全く響きが違う。ノンレガートだとブツ切れになるが、レガートで弾くと音の持続時間が短いなりにキレイに前後の音がつながる。そして、後者の方が私にとっては、大変好ましく感じるのである。
バッハ先生は手が大きかったから、ほとんどの曲をレガートで弾けたのではないか。それが、私が心に抱いている仮説なのである。それを検証したい!!
細幅鍵盤
「私はバッハになるプロジェクト」第1弾は、細幅鍵盤microkey2で検証した。しかしmicrokey2は1オクターブの幅が140mmであり、私の指では10度しか届かなかった。バッハ先生は12度届いたというので、まるで違う。
そのため、さらに細幅の鍵盤で検証したいと思っていたのである。ネットで検索してみると、主に子供向けのキーボードに細幅のものが見つかる。ちょうど12度届く幅のキーボードが欲しい。
ネットで検索したキーボードの画像を保存し、商品の全長(幅)と1オクターブの幅との比率で鍵盤幅を割り出す。どのキーボードも1オクターブの幅なんて記載されていないので、商品の全長から計算するのである。
鍵盤幅が1オクターブ110mmのキーボードが見つかった。これなら、私の指でちょうど12度届く。「ド」から上の「ソ」まで弾けることになる。これがバッハ先生の手の大きさで、当時のチェンバロやオルガンを弾いたのと同じ状態になる。
このキーボードは、当然平均律であるし、MIDI出力なんてものもないから、調律には期待できない。子供向けのもので、音色も8種類しかなく、音質が良いなんてこともありえない。
さらに、Amazonのレビューを読んでみたら、評価が散々だった。そもそも「音が出ない」とか、「すぐ故障した」とか、「外れたネジが内部に入り込んでカラカラと音を立てている」とか…。
何から何までお粗末な商品としか言いようがないが、あえてこれを試してみたい。とにかくバッハ先生と同じ条件の鍵盤が実在していて、音はどうであれ、それを自分の指で押して検証できる、ということが重要なのである。
このキーボードを試してみたい! 名付けて「私はバッハになる!プロジェクト」第2弾! 始動!!
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2025-01-17:「私はバッハになる!プロジェクト」、完全勝利宣言!! ミニ鍵盤キーボード【BF-6138】
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