バッハ先生の弟子、ヨハン・フィリップ・キルンベルガー氏。1739~1741年、バッハ先生の下で学ぶ。この方、非常に熱心な生徒だったらしく、対位法の勉強のし過ぎで、熱出して寝込んだというエピソードが…。
わかる!わかるわ…!! ほんと、ポリフォニーをやると、脳に負荷がかかりすぎて、ぶっ倒れそうになるもの。私はほどほどにしてるからまだ大丈夫だけど、やりすぎるとほんとに危険。
3声や4声のフーガをやっていると、頭に負担かかるのがわかって、脳みそがキューっと締まる感じになって、脳血流量が低下?酸欠?みたいになって気が遠くなってくる。
フラフラーとその場に倒れ込んでしまうこともアリ。そのときに口をついて出てくる言葉が「頭がキルンベルガーに!!」
以前、ある方のブログを読んでいて、同じような状況を見たことがある。その人は休みの日になると、一日中シンフォニア(3声)を練習していたそうで…。
練習メニューが、
こんな感じ。
古典派やロマン派の曲を練習している人なら、「30分も休んでないで、その分練習しなよ」って話になると思うんだけど、これポリフォニーだから、こうなっちゃうんだと思う…
シンフォニア30分も弾いたら、頭がキルンベルガーになってしまって、30分休まないと回復しないよね? わかるわーー
☆バッハ先生とキルンベルガーの心温まるエピソード☆
[J・F・ライヒャルト『音楽月刊誌』—-ベルリーン、1792年10月]より
キルンベルガーがライプツィヒへ赴いて、かの偉大なゼバスティアン・バッハの指導のもとに対位法を研究し、純正な四声書法を習得しようとしていたことのことだ。彼はあまりの猛勉強をわが身に課したため、発熱してしまい、18週間ものあいだ部屋に引きこもっていなければならなかった。だが、こうしたことにもかかわらず、彼は熱の合間の楽な時間を利用して、あらゆる種類の主題を処理する学習を続行したのだった。
ところでバッハは、この異常なまでの熱心さを知ると、自分の方からこの弟子の部屋へ足を運んでやろうと申し出た。外出は体に障るだろうからというのだったが、五線譜の送ったり送られたりのやり取りが多少煩わしかったからでもあった。
ある日キルンベルガーが、これほどまでに肩入れしてくれるわが師の親切にどれほど感謝してもし尽くせるものではないことを、何とかしてバッハに伝えようとしたとき、純正な作曲法の保持者となるこの弟子の未来の功績を明らかに予見し、そしてまた、芸術を単にそれと結びついた利益のためにのみ愛するのではなく、芸術を芸術それ自体のために愛していたバッハは、こういったのである。
「愛するキルンベルガーよ、感謝などは口にしなさるな。あんたがこの音の芸術を根本から勉強しようとしているのを見るだけで、私はうれしいのだ。そしてこの芸術に関して私が知っている限りのものをあんたが同様に身に着けてくれるかどうかは、ひとえにあんたの努力いかんにかかっているのだ。私があんたに要求したいことはただ一つ、このわずかばかりのものをいつの日か再び、お定まりの歌の練習では満足できない時代の優れた人材にも伝えてもらいたいということだ・・・。」
このことをキルンベルガーもまた忠実に実行した。シュルツ、フィーアリング、キューナウ、その他われわれの時代の楽匠たちは、彼の実り多い熱意の証人といえるだろう。
「バッハ叢書10バッハ資料集」角倉一朗/編、白水社/刊、p.171~172
カテゴリー:ポリフォニー