現在、2~3声の曲はほとんど暗譜で弾いている。暗譜のレパートリーが現在、20曲あって、楽譜なしで続けて一気に弾くことができる。1声ずつ音で覚えて、そこから3声を暗譜するようになって、よく覚えられるし、忘れにくくなった。3声を耳で聴き取り、脳内で再生できるようになったので、それを耳コピして指を動かしていくと、暗譜で弾けるのである。
音ではなく指の動きで暗譜していた時は、どうしても、曲の途中で暗譜があやふやになってしまうことが多かった。音で覚えると、もう迷わない。
4声の曲は、まだ耳が聴き分けられないので、暗譜できるような気がしない。実際に「フーガの技法 第1番 BWV1080」を弾いていると、あの曲は最初1声→2声→3声→4声と重層化していった後、3声と4声が交互に現れて最後まで行く。それを弾いていると、3声の部分は暗譜に迷うことはないが、4声の部分でどうしても記憶が抜けてしまうところが出てきてしまう。
一般に、中年以降は曲の暗譜をしにくくなると言われている。実際、自分自身でもそれは実感している。大人の中には、楽譜を見ずに1曲も弾けないという人もいる。
私も、若い頃は、ただ何度も同じ曲を弾けば、それだけで暗譜ができていた。50代で鍵盤楽器を再開してみると、最初の5曲くらいは、簡単に暗譜できたが、それ以降は脳の容量に限りがあるのか、記憶力が曖昧になってくる。
これって、何曲まで脳に維持できるものなの?
指の動きで覚えていた時は5曲が限度だったが、音で覚えて脳内耳コピするようになったら、全部で20曲まで増えた。
しかし、そろそろ限界が来たような気もする。最近「コラール前奏曲 BWV713」を弾いていると、途中で止まってしまうことが増えた。あくまでも楽譜を見ずに記憶だけで復帰するというルールを自分に課しているため、そのつど記憶力だけで再開しているのだが、弾くたび違うところで止まってしまう。
最近、「フランス組曲第6番 BWV817 ガヴォット」(3声)を暗譜し、「平均律クラヴィーア曲集 第1巻第22番 BWV867 フーガ」(5声)の一部を暗譜したあたりから、脳の容量がいっぱいになったと感じた。特に5声のフーガの負荷が大きすぎたように感じる。
暗譜のレパートリー、この先どれだけ維持していけるのか? 一通り弾くだけで、30分くらいかかってしまう。毎日、全部弾くことはできない。弾かないと、やっぱり忘れちゃうのかな?
暗譜が抜けるのは、
- 脳内再生している曲のデータがあやふやになる
- 脳内の音を聴きながら該当の鍵盤を押す反射的な回路がおかしくなる
- 脳内の音は聴けているし、どの鍵盤を押すのかも分かっているが、指使いが思い出せなかったり間違えたりして、指の取り回しがうまくいかなくなる
この辺の現象が起きている。最近起こりやすいには、3 の現象のような気がする。
「フーガの技法1」、どうしても4声の部分が暗譜できなかったのだが、これは音だけ覚えていて、指使いを記憶できていなかったことが原因だったようである。運指を意識的によく覚えようとしたら、4声の部分も暗譜で弾けるようになった。
単旋律の曲であれば、脳内耳コピは簡単である。音を聴いた通りに、反射的に鍵盤を押していけばいい。1声なので、指の取り回しはいかようにでもできる。しかし3声や4声ともなると、音の記憶だけで場当たり的に鍵盤を押していったら、どうやっても指が足りなくなる。そこの部分のシステマティックなところが記憶できていなかったのだと思う。
今までの暗譜の方法は、とにかく音を覚える、指の動きではなく音を覚えなければ…という方に向かっていたので、運指を記憶する方がおろそかになっていた。これからは指使いと音と両方を記憶するようにしていこうと思う。
暗譜で弾ける曲☆一覧
◆「コラール前奏曲 BWV698」3声
音色:パイプオルガン2
調律:キルンベルガー第3法

◆「コラール前奏曲 BWV699」3声
音色:パイプオルガン2
調律:キルンベルガー第3法

◆「コラール前奏曲 BWV703」3声
音色:パイプオルガン2
調律:キルンベルガー第3法

◆「コラール前奏曲 BWV711」2声
音色:パイプオルガン2
調律:キルンベルガー第3法

◆「コラール前奏曲 BWV713」4声
音色:パイプオルガン2
調律:キルンベルガー第3法

◆「インベンション第1番 BWV772」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「インベンション第2番 BWV773」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「インベンション第4番 BWV775」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「インベンション第5番 BWV776」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「インベンション第13番 BWV784」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「シンフォニア第1番 BWV787」3声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「デュエット BWV803」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「フランス組曲 第6番 BWV817 アルマンド」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「フランス組曲 第6番 BWV817 ブーレ」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「フランス組曲 第6番 BWV817 ポロネーズ」2声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「フランス組曲 第6番 BWV817 ガヴォット」3声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「平均律クラヴィーア曲集 第2巻第12番 BWV881 フーガ」3声
音色:パイプオルガン2
調律:ヴェルクマイスター第1技法第3法

◆「フーガ ハ長調 BWV952」3声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「フーガ ハ長調 BWV953」3声
音色:パイプオルガン1
調律:ジルバーマン第1法

◆「フーガの技法 第1番 BWV1080」4声
音色:パイプオルガン2
調律:キルンベルガー第3法

カテゴリー:暗譜